
「65歳になったら、あとは年金で何とかなる」——そう思いたいのに、毎月の引き落としを見るたび不安がよぎる。そんな感覚、正直ぼくにもあります。そこで今回は、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の平均データから、生活費のリアルをほどき、わが家の老後設計に置き換えるヒントをまとめます。読み終える頃には、まずどの数字を見ればいいかがクリアになります。
2024年の家計は「年金中心」でも赤字になりやすい
総務省「家計調査(2024年)」では、65歳以上夫婦のみの無職世帯の実収入は月25万2,818円。そのうち社会保障給付は22万5,182円で、収入の89.1%を占めます。つまり、家計の柱はほぼ公的年金です。
ひと月の収入と支出(平均との差)
| 項目 | 月額(平均) |
|---|---|
| 実収入(うち社会保障給付22万5,182円) | 25万2,818円 |
| 合計支出(消費支出25万6,521円+非消費支出3万356円) | 28万6,877円 |
| 家計収支(不足) | ▲3万4,058円 |
支出が上回るので、平均では月3万4,058円の赤字。静かに貯蓄を取り崩す構図になりやすい、というのが数字の結論です。
家計調査(2024年)では、収入の89.1%が社会保障給付。生活は「年金の出来」に大きく左右されます。
支出の内訳で見える、暮らしの重心
同じ統計では、食費の割合を示すエンゲル係数が29.8%。また、可処分所得に対してどれだけ使っているかを見る平均消費性向は115.3%です。収入以上に使っている状態なので、気持ちが落ち着かないのも当然なんですよね(この数字、地味に刺さります)。
見落としがちな盲点:住居費と「家計に出てこない費用」
内訳の中で気になるのが住居費が月1万6,432円と低めに出ている点。持ち家でローンが終わっている世帯なら納得でも、賃貸や修繕が重なると印象は一変します。さらに、家計調査の枠では状況次第で膨らむ支出(暮らしのサポート費など)が読み取りにくいのも現実です。
公的年金の基本:「2階建て」と、目安の金額感
公的年金は、全国民の国民年金に、会社員などが上乗せする厚生年金を組み合わせた「2階建て」。厚生労働省の試算では、平均的な収入で40年就業した場合の「標準的な年金額」(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む)は、2024年度で月22万4,482円、2025年度で月23万0,483円とされています。
また日本年金機構によれば、2025年度の国民年金保険料は月1万7,510円。20歳から60歳まで40年納付すると、老齢基礎年金は月約6.9万円が目安です。ここに厚生年金がどれくらい乗るかで、夫婦の受け取り像が決まっていきます。
わが家に落とし込むためのチェック(家計調査の項目で確認)
- 食料:7万6,352円
- 住居:1万6,432円
- 光熱・水道:2万1,919円
- 家具・家事用品:1万2,265円
- 被服及び履物:5,590円
- 保健医療:1万8,383円
- 交通・通信:2万7,768円
- 教育:0円
- 教養娯楽:2万5,377円
- その他の消費支出:5万2,433円
- (内)諸雑費:2万2,125円
- (内)交際費:2万3,888円
- (内)仕送り金:1,040円
- 直接税:1万1,162円
- 社会保険料:1万9,171円
- ひと月の赤字:3万4,058円
- エンゲル係数:29.8%
- 平均消費性向:115.3%
ここからは僕の実感なんですが、老後のお金って「いくらもらえるか」より先に、「何にいくら出ていくか」を夫婦で同じ目線にそろえるほうが効きます。とくに生活費は、固定費の小さなズレが年単位で効いてくる。年金の受け取り方(繰上げ・繰下げ)を考える前に、まず家計のクセを見つけたいところです。
平均データは、私たちの暮らしをそのまま写す鏡ではありません。でも「年金中心の収入で、平均でも月3万4,058円足りない」という事実は重い。住居費や税・保険料まで含めて、わが家の公的年金と老後資金、そして家計管理の線を一度引き直してみると、将来の不安が具体的な課題に変わっていきます。みなさんの家計で一番ぶれやすい項目、コメントで教えてください。
FAQ
- 年金だけで生活できるか、最初に見るべき数字は?
まずは「月の合計支出」と「年金などの実収入」の差です。平均では▲3万4,058円なので、わが家の差額を同じ形で出すと現実が見えます。 - エンゲル係数29.8%は高いの?
高い・低いの断定より、家計のバランスを見る指標です。食費が上がると比率は上がるので、物価や嗜好の変化も含めて推移を見ます。 - 「住居費が低い」点はどう考えればいい?
持ち家か賃貸か、修繕や更新があるかで大きく変わります。平均の住居費1万6,432円を鵜呑みにせず、自分たちの実額で置き換えるのが安全です。 - 国民年金と厚生年金の違いを一言でいうと?
国民年金が土台、厚生年金が上乗せです。公的年金は「2階建て」と覚えると整理しやすいです。






















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